昔の馬油は腐りやすくて臭い油だといわれていました。
正確にいうと、馬油という名称で商品化される以前の馬の油は臭かったのです。
馬の油は高度の不飽和脂肪酸が65%も含まれ、動植物の油脂の中で一番腐りやすく(酸化しやすく)、「くさい油」と言われていました。
高度の不飽和脂肪酸が65%も含まれており、それが馬の油が他のどんな油脂よりも人間に有益な油である由縁ですが、そのせいで腐りやすい性質でもありました。
馬油の元祖ソンバーユは臭くない
馬の脂身から作った油を馬油と名付け、日本で初めて馬油を商品化したのはソンバーユ(尊馬油)の生みの親である直江 昶さんです。
直江 昶さんは研究に研究を重ねて、馬の油の油臭さを取り除き、のちに馬油を化粧品として国に認可させ、ソンバーユと名前を変えた馬油が現在も多くの人に愛用されています。

ビタミンEで油臭さを取り除くことに成功
昔の人は、酸化して臭くなっても、すごい効果効能がある馬の油を我慢して使っていました。
馬の油よりも優れた薬がないから、臭くても気にならなかったのかもしれません。
しかし、現代は、油の酸化を防止して、臭くならないようにしてくれる天然添加物が発見されています。
それがビタミンEです。
- 老化を防ぐ効果
- 生活習慣病の予防・改善効果
- 血流を改善する効果
- 美肌効果
- 生殖機能を維持する効果
わかさ生活HPより
このビタミンEは学名をトコフェロールといいます。
トコフェロールとは簡単にいうと小麦の胚芽油のことです。
小麦の胚芽油を馬の油に微量混合すると、酸素分子を膜で包み込むような働きで、不飽和脂肪酸の酸化による腐敗をほぼ完全に防止してくれて、臭くなることを抑えています。
現在は、このビタミンEを使った方法が油脂の酸化防止に最も有効とされています。
馬の油にビタミンEを配合して、馬油であるソンバーユが作られているのです。
油の酸化を防止してくれるビタミンEが発見されたお蔭で、馬油は他の動植物の油と同じように腐りにくい油になったので、欠点がなくなり、他の油にはない効果効能だけが突出することになりました。
だから、直江 昶さんが日本で初めて作った馬油、ソンバーユは臭くないのです。

馬油の特徴である不飽和脂肪酸の説明
先ほどから書かれている高度の不飽和脂肪酸とは何か?疑問に思われる人にご説明します。
まずは飽和している飽和脂肪酸からご説明します。
飽和脂肪酸とは
飽和脂肪酸は、分子2個が両手両足で連結され安定しています。
安定している分子はガチャガチャと動き回ることなく、同じところでじっとしているので酸素などの影響を受ける(酸化する)ことが少ないのです。
飽和脂肪酸を多く含む食用油は、「油性が安定していて酸化しにくく日保ちが良い」と評価されています。
反面、肌に塗っても、肌の表面上にじっとして肌の表面を覆っているだけ、ベタベタしたままで何の役に立ちません。
不飽和脂肪酸とは
飽和脂肪酸を多く含む食用油とは反対に、特に不飽和脂肪酸を多く含む馬油などは、食用油としては不評で、「油性が不安定で、すぐに酸化して腐りやすい」とされています。
不飽和脂肪酸の分子は、飽和脂肪酸のようにきっちり両手両足で連結しておらず、一部の分子は手だけが連結して、足は離れてブラブラしています。
足が離れてブラブラしている分子は、常にガチャガチャと動き回り、酸素とぶつかれば直ぐ酸化してしいます。
不飽和脂肪酸の中でも、高度の不飽和脂肪酸と言われる「高度」とは、分子の分離流動性が最も激しいものに付ける言葉で、馬油の流動性は「最高度」と言える性質を持っています。
この激しく動き回る分子の性質が驚異的な肌への浸透力となっているのです。
